戯言等々のトピック
- 金太郎の美学
- 2008/11/16
- 投稿者
- coltrane
- 内容
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一応酒は土日以外は平日の夜しか呑まない。
呑まれたら最後。酒は怖いから。
依存しても呑まれない。理性でコントロールする。これが一線。
先にも書いた通りプロレスを見始めた時期は遅い。
大木金太郎の顔はおぼろげに覚えていたがファイトスタイルは知らない。
先般ふとプロレスを想い出し猪木が魅せる予定調和内でのふとした
ハプニングで発露する一瞬の狂気を見ていた。
だからこそ猪木は未だ伝説として君臨しているのだろう。
もっとも若し私が銀行員で猪木の担当なら絶対に貸付しないだろう。
紙一重の美学。まさに彼に当てはまる。
一方の大木金太郎は愚直で朴訥。
僑胞の英雄力道山に憧れ密航来日。師から命令された必殺の一本頭突きを
頑なに続け挙句は脳派に異常を障す程であったと言う。
彼が気になり調べてみると師力道山を無条件に敬愛する一方
力道山を批判し利用する同じ僑胞極真大山倍達に喧嘩を売る。
一時は狂信的な極真面々が付きまとい身の危険を覚えたと言う。
大木は日プロ髄一のガチンコ強者であったらしい。
でもリング上からはその片鱗は微塵も感じない。
否見せないと言ったほうが正解か?
試合開始直前「紙一重」猪木の手加減無しのナックルが入る。
大木は前歯折ったらしいが挑発に応じるかと思いきや冷静に調和を進める。
中盤以降大木はその調和する世界その中でのガチンコを猪木に見舞う。
必殺頭突きの連発。
狂気とは?凄みとは何だろうか?
狂気を演じられる者こそ正気と人は評する。
否。本質として狂気たる者が正気との一線を演じるからこそ人に伝わる。
単純な応酬の中にこそその本質はあると私は思う。
そして猪木もそれを承知した上で先輩の大木を挑発している。
大木の最後はプロレスの師力道山の教えそしてプロレスの常道に従ったものであった。
愚直なまでの引き立て役に徹した彼を猪木よりも高く評価する次第。